株式会社 道の奥ファーム メールマガジン バックナンバー
【No.20】捨てる神あれば拾う神あり
2011年07月19日(火)
圃場では、ブルーベリーの出荷がピークを迎えています。
今年は2.6tの出荷を予定していましたが、どうもこの予定は大きく減りそうな気配です。
というのは、遠野の宮守地区で雹(ひょう)が降り、ブルーベリーに大打撃を与えたからです。
宮守地区は遠野で最も大きいブルーベリー園があります。
その農園が被害にあってしまい、落実はもちろん、雹があたったブルーベリーのみが裂けたり、
穴が開いてしまったものが半分以上あります。
そのため収穫量が減ったことと、せっかく収穫したものもキズものになってしまい、
選別ではじかれてしまうため、ここ数日、出荷量が激減しています。
農業は天候次第とは言いますが、まさにその通りとなってしまいました。
そんな苦しい思いをしている反面、うれしいこともあります。
今年の道の奥ファームの農作物の収穫作業は、沿岸地域で被災され、
働きたいけど仕事がないという方を、優先的に雇用させていただこうと考え、
市役所やボランティアセンターへ相談し、被災地の方へチラシを配ってもらいました。
しかし、やはり交通の便の問題か、数名の方しか応募がありませんでした。
そこで、被災地でのボランティア活動に集まった方々にも声をかけてみることにしました。
ボランティアの方が弊社で働いて、多少なりとも収入になれば、
滞在費用や食事面のことも少しは改善でき、予定よりも長く活動してもらえるかもしれませんし、
あるいは収穫作業で得たお金を、被災地への支援金として寄付していただくことも
ある意味、復興活動につながるのではないかと思ったからです。
5月の連休に遠野へボランティアに来たときに知り合った方が、
遠野へ再度ボランティアに来たと、連絡がありました。
そこで現状を打ち明けると、是非協力させてもらいたいと、快くその日から作業を手伝ってくれました。
またボランティア仲間にも声をかけていただき、大勢の方が手伝いに来てくれました。
まさに、「捨てる神あれば拾う神あり」です。
実は、ブルーベリーの実に傷が多いと、選別作業にいつも以上に時間がかかるため、
道の奥ファームの社員だけではとても選別が追い付かず、どうしようかと悩んでいたところでした。
道の奥ファームの収穫・出荷作業は11月上旬まで続きます。
その期間、ボランティアの方で、働きたいという方は、どんどん雇用していきたいと考えています。
もちろん、ボランティア活動が中心ですから、何日かに一回とか、
週に一回とかのペースで、道の奥ファームで作業してもらい、
その賃金でボランティア活動にかかる資金を少しでもねん出していただければと思っています。
残念ながら、農繁期を迎えた私たちは、直接沿岸地域へ出向き、何かできる余裕はありません。
それならば、私たち農業者が間接的に応援できるのは、これではないかと考えます。
今日手伝っていただいた方で、
「アルバイト料の半分は道の奥ファームの商品を買わせてください。
残り半分は、被災地へのボランティア活動へ寄付します。」
と、全部使われた方もいらっしゃいました。
本当に感激しました。
多くの方々の善意で、道の奥ファームもまだまだ頑張っていけそうです。
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